日時:2011年11月12日(土)
会場:神戸文化ホール 大ホール指揮:朝比奈千足
ソリスト:松岡万希(ソプラノ)、清水徹太郎(テノール)、
萩原寛明(バリトン)
入場料:一般 2,500円(当日3,000円)
学生 1,000円(当日1,000円)
プログラム:
《オペラの花束》第1部 モーツァルトの作品集
・歌劇「魔笛」より
序曲
タミーノのアリア「何と美しい絵姿」(1幕1場)
パミーナとパパゲーノの2重唱アリア 「愛を知るほどの殿方には」
・交響曲第32番 G-Dur K318
・歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より
ツェルリーナとドン・ジョヴァンニの2重唱 「お手をどうぞ」
ドン・オッタヴィオのアリア「今こそ私の愛しい人を」
・歌劇「フィガロの結婚」より
フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」(1幕)
第2部 ヴェルディの名作オペラより
・ ヴェルディ 歌劇「椿姫」より
第1幕への前奏曲
ヴィオレッタのアリア「ああ、そはかの人か=花から花へ」1幕
アルフレッドのシェーナとアリア「彼女が離れていては・・・」2幕
ジェルモンのアリア「プロヴァンスの海と陸」 2幕
第3幕への前奏曲
ヴィオレッタとアルフレードの2重唱「パリを離れて」3幕
・ヴェルディ 歌劇「運命の力」より 序曲
※曲目は予告なく変更になることがあります。
贅沢なひと時を
一曲のオペラを鑑賞するのには大体3時間余りの時間がかかります。しかもお気に入りの歌や場面はすぐには出てきません。ただその時が来るのをひたすら待ち続けて・・・、という経験のある方も多いと思います。
今回はそんな経験をされた方にも、ああ、これこれ、といったアリアや二重唱などをたっぷり聴いていただくために、モーツァルトとヴェルディ、この二人の作品を選び、その中のイイトコ取りをして聴いていただきます。
モーツァルトの「魔笛」は、彼の死の年に書かれたドイツ風でセリフ付きの形式をとったオペラです。秘密結社フリーメイソンの隠された儀式の様子を このオペラで明らかにしてしまったという理由で、モーツァルトは暗殺されたという俗説も出たほどの特異な作品です。イタリア風のオペラ「ドン・ジョヴァン ニ」は、女性遍歴を重ねるドン・ジョヴァンニの行状記のようなお話で、実は、かなりきわどい内容のストーリーなのです。いろいろなタイプの女性が登場する のも一興です。人気の「フィガロの結婚」は、当時の貴族社会を痛烈に風刺した内容で庶民からは大喝采を浴びましたが、余りの反響のため当局は上演禁止の処 置を取ったほどでした。
第2部は、イタリアの大作曲家ヴェルディの数ある大作オペラでもっとも有名な「椿姫」の中から数曲聴いていただきます。原語では「ラ・トラヴィ アータ」、迷わせる女というような意味です。パリ社交界の歓心を集める女性ヴィオレッタ、物慣れない田舎の青年アルフレードとその父親ジェルモンがこのオ ペラの主人公です。ヴェルディの書いた二つの前奏曲はどれも心に染みとおるような悲しくも美しい旋律です。また、揺れる女心を表現したヴィオレッタの長大 で難曲と言われているアリア、アルフレードのナイーブで情熱的なアリア、ジェルモンの、プロヴァンスの景色を思い起こさせるような切々としたアリア、いず れも聴き応えがあります。
最後に同じヴェルディのオペラ「運命の力」序曲で、たっぷりとヴェルディのオペラの世界に浸っていただきましょう。
神戸フィル音楽監督 朝比奈千足