2011年7月2日土曜日

第62回定期演奏会

第62回定期演奏会

2011年7月2日(土)午後4時開演

 会場:神戸文化ホール 大ホール

 曲目:ドビュッシー=牧神の午後への前奏曲
   ベルリオーズ=ローマの謝肉祭
   チャイコフスキー=交響曲第5番

 指揮:朝比奈千足

 入場料:一般2,500円(当日3,000円)
      高校生以下1,000円(当日1,000円)


響きが祈りに・・

この度の東日本大地震と津波災害は私たちにとても大きなショックを与えました。16年前の阪神大震災を思い出させました。
そこで私たちは音楽で何が出来るか考えました。
被災地で有名タレント達がする活動には私達の力は遠く及びません。私たち神戸 フィルができることは、いつもと変わらず一所懸命の演奏を通じて、被災地の人々に心を寄せ、一日も早い復興を祈ることしかありません。
私たちの奏でる響きを祈りに代えて・・、これが今回の私たちの考えた答えです。

そして、久しぶりにフランス音楽を聴いていただきます。
まず「牧神の午後への前奏曲」。ドビュッシーが初めて考えついた音の世界、印象派音楽の代表的な音楽です。題名を聞いただけで何やら不思議な世界を醸し出 しています。詩人マラルメが夢想した世界を音にしたもので、まさにフランス音楽の 代表格です。曲の始まりのフルートの独奏が印象的です。

もう一曲フランスの作曲家の作品を聴いていただきます。
ベルリオーズという人はフランス音楽の基礎を作ったとも言われています。その上作曲家としての技量は天才的で、多くの大作、名曲を残しています。その中で この「ローマの謝肉祭」は、短いけれども詩情あふれるコールアングレのメロディーと 力強く色彩豊かなトランペットの響きを堪能できる珠玉の作品です。

後半は一転して、ロシアの音楽を聴いていただきます。
チャイコフスキーの「交響曲第5番」は、サブタイトルこそ付いていませんが
彼の6曲の交響曲の中で最も交響曲らしい一体感のある名曲です。
この曲の冒頭、クラリネットで奏でられるメロディーが各楽章に現れて有機的な 繋がりを感じさせ、最後はこの同じメロディーが明るく最高潮に盛り上がり、  お約束のチャイコフスキーらしい終わり方で締めくくられます。
余談ながら、「5番」といえばベートーヴェンの「運命」をどの作曲家も意識するのでしょうか。マーラーもショスタコーヴィッチも大作を残しています。
どなたかこのチャイコフスキーの曲にタイトルをつけてみませんか。

                       
神戸フィルハーモニック
                       音楽監督 朝比奈 千足