2016年12月6日火曜日

2016年度 東北慰問演奏 活動報告


2016年度 東北慰問演奏 活動報告
≪9月17日≫女川町
≪9月18日≫南三陸町
 午前の部@名足復興住宅
 午前の部@枡沢復興住宅
 午後の部@伊里前復興住宅

917日 女川町お茶っこコンサート≫
今年は、初めて女川町でもお茶っこ(現地の言葉でお茶、お菓子を食べるという意味)コンサートを開催しました。
以前、南三陸町のお茶っこコンサートに来て下さっていた女川町の方が、女川町でもこういったコンサートがあればみんな喜ぶのになぁ、とお話されていたことが記憶に残っており、今回、女川町の社会福祉協議会の方にご協力いただき、演奏会を開催する運びとなりました。

演奏会場は、女川町の総合運動公園の中に建てられた、災害公営住宅のコミュニティプラザという場所で、とても綺麗でよく響く会場でした。初めてでしたが、女川町の方々はとても温かく、団員の私達が楽しいひと時を過ごさせて頂いたように思います。

ちょうど、敬老の日のイベントもあり、ご年配の方々を中心に、演奏に耳を傾けて下さいました。演奏会場の横のスペースでは、演奏に合わせて踊って下さっていた方もおられたようです。

楽器紹介では、積極的に楽器に対する質問をして下さり、途中の歌謡曲では歌詞をお配りし、一緒になって歌を歌って下さいました。終始和やかな雰囲気の中、音楽を通じた交流をすることができました。

また、今回はマッサージを受けながら生演奏を聴いていただく、という贅沢なひと時を楽しんでもらおうと、ボランティアさんによるマッサージブースを設けました。皆さん日頃の疲れが癒されると、大変好評でした。

演奏会終了後も、聴きに来て下さった方々が次々に、「遠いのにどうもありがとねー」「楽しかったー!」「一生懸命考えてくれているのがすごく伝わった」と、声をかけて下さり、女川町でも演奏することができて本当に良かったと、私達がとても嬉しい気持ちになりました。



≪女川町でのコンサートの様子≫
金管による三重奏♪笑点のテーマソングなど、面白い選曲で皆さん笑顔^^


木管による楽器紹介♪


弦楽器と木管による六重奏♪



全員合奏♪この日の為に朝ドラのテーマソングを編曲して持参しました♪


終わってからも皆さんと楽しく交流させて頂きました☆



918日≫
6回目となる、南三陸町でのお茶っこコンサートを開催しました。

2013年までは、地区で最も大きい仮設住宅にある施設を借り、全員でのコンサートを行っていましたが、行きたくても足が無いので聴きに行けないとの声を頂き、何とかより多くの方に聴いて頂くことはできないものかと、2014年より、小編成のアンサンブルに分かれて、各仮設住宅の集会所を訪問するスタイルに変更しました。

現地の方との距離も近く、このスタイルが好評だったことから、今回も小編成のアンサンブルに分かれ、新しくできた町営の復興住宅の集会所を訪問しました。

復興住宅での演奏は、これまで生活してきた仮設住宅から出られた方々が、また一から新たなコミュニティを作る必要があるとのことで、コミュニティの活性化の為に、ぜひ演奏しに来て欲しい、とのお声をいただき、訪問することとなりました。
どの会場でも、演奏が始まると嬉しそうに微笑んでくださる方、手拍子をしてくださる方、目を閉じてじっくり聴いてくださる方や、歌を口ずさみながら聴いてくださる方など、皆さん思い思いに楽しんで聴いて下さいました。

唱歌の故郷を演奏した際には、目に涙を浮かべて歌って下さるお年寄りの方もいらっしゃいました。また、昨年頂いたリクエスト曲をこの日の為に編曲し、全員で演奏したところ、笑顔で手拍子して下さり、会場が一体となって盛り上がりました。

コンサートが終わると「こんな近くで生演奏が聴けるなんて感激した」「私たちの為に曲を選んでくれてありがとう」「また来年も来て下さい」と声をかけて下さり、とても嬉しい気持ちになりました。
また、私達の為に、手作りのお餅を準備して下さっていた方、わざわざ一人一人にお土産を用意して下さっていた方、いつも最後まで見送っているからと、私達の車が見えなくなるまで手を振って見送って下さる方もおられ、東北の方々の温かさを改めて感じました。

後日、復興住宅の自治会長さんからお礼の電話があり、参加した人達が、ありがとう、ありがとうと、わざわざ自治会長さんの元にお礼を言いに来て下さったとのこと。高台移転で仮設の商店街も遠くなってしまい、足がないとどこにも行けず、敬老の日なのに、三連休で賑わっている世の中をテレビ越しに見ながら、家でじっと過ごすしかないお年寄りが多いので、コンサートに来てくれて本当に有難かったです、ぜひ、そういう人たちの為に、来年も来てやって下さい、とお話しして下さいました。

私達の活動は、復興に直結するような支援ではありませんが、毎年東北の皆さんが温かく迎えて下さり、時に涙し、時に笑顔で歌い、喜んで下さり、前向きになれたよ、来年も待っているよ、と声をかけて下さると、少しでも日常から離れてホッとできるひと時が作れているのかな、私達でも心の充電のお手伝いが少しはできているのかなと、自分達の活動に意義を感じると共に、音楽の力を感じます。
東北での演奏活動を継続するのは、簡単なことではありませんが、現地の方々が来て欲しいと言って下さる限り、細々とでも継続していきたいと考えています。今後も、この活動を続け、現地の方々に、忘れずに一緒にいます、というメッセージを発信していきたいと考えています。

最後になりましたが、演奏会にお越し下さいました皆様、コンサートの開催まで、現地でバックアップして下さった南三陸町および女川町の皆様、コンサートの為に全国より集まって下さったボランティアの皆様、神戸フィル後援会の皆様、および、本年もアート支援の助成事業を通じて、多大なるご支援を頂いた兵庫県芸術文化協会、兵庫県民の皆様のご協力、ご支援のもと、今年も東北に演奏しに行くことができましたこと、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

≪南三陸町でのコンサートの様子≫
午前の部@名足復興住宅



演奏後も皆さんと楽しくお話しさせて頂きました♪




お世話になった自治会長さんの色紙に各自サインをして記念撮影☆


午前の部@枡沢復興住宅



詳しく楽器の説明。へぇ~・・・と皆さん。


ラッパのマークの正露丸を披露^^



午後の部@伊里前復興住宅



弦楽器の大きさとそれぞれの特徴を説明中♪


南三陸名産のワカメを題材にしたご当地ソングを披露するワカメ王子^^



間にみんなでストレッチ体操もしました☆


終始和やかな雰囲気で私達が楽しませて頂きました♪



アンコールもこの日の為に準備したご当地ソングで盛り上がりました♪






≪女川町、南三陸町の現在の町の様子≫
震災当初は瓦礫が多く、震災の爪痕の残る町にとても衝撃を受けましたが、毎年来るたびに町が変わってきているのがわかります。盛り土をして土地全体が高くなり、道路もこれまでの道とかなり変わっている箇所がありました。土の壁に囲まれた町を見て、故郷の景色が一変したことがとても悲しいと話される方もいらっしゃいます。今は土の壁ばかりで、町並みが無い状態ですが、これからどんどん新しい町ができ、いつか新しい町並みを故郷として愛着が持てる日が来るよう、私達も共にお祈りしております。



いたるところに迂回路が。
津波でなくなった道路、新しく新設された道路など、地元の方でも把握しきれないようです。


町は7mの盛り土に囲まれていました。


盛り土に埋もれるようにして残されている防災庁舎は、何とも言えない光景でした。